社会的養護

社会的養護を必要としていた高校生が大学進学するために踏んだ4つのステップ

 

まず最初に、貧しい家庭で育ったハンデを跳ねのけて、進学を志すすべての方々と、それを支援される方々に心から敬意を表します

「学歴なんて無くても良いよ」「結局は本人次第じゃん」などの無責任な言葉が転がっている昨今、自分の気持ちに向き合い、努力してこられた方々は本当に素晴らしいと思っています。

どうか、皆さんが希望通りの道に進めるようお祈りしております。

 

柴ジロー
柴ジロー
さて、どうも、柴ジローです。

 

今回は、【極貧高校生が4年制大学に進学するために踏んだ4つのステップ】についてお話していきます。

この記事を読んで、「僕(私)は貧乏だから大学に行けないと決めつけてたけど、案外そんなことないかも!」と思っていただければ、もう最高です。

それでは早速、前回に引き続き私の体験談も交えながら進めていきましょう!

 

 

ステップ①:授業料免除などの制度がしっかりしている大学を目指そう!

大学には色んな種類がありますが、 残念ながら、貧乏な私たちが目指すことのできる大学は限られています

いきなり元も子も無いことを言いますが、一部の天才の方々を除き、私を含む一般的な貧乏過程で育った人は進学できる大学の幅が狭くなっています。

具体的には国立大学や公立大学、福祉系の大学です。

入学料・授業料免除や独自の奨学金などの制度が充実している大学を目指すようにしましょう。

柴ジロー
柴ジロー
大学の幅は狭くなりますが、学部や分野はいろいろあります!
その中で選ぶようにしましょう!

制度が充実しているかしていないかで、金額面のハードルが全く違ってくるからです。

特に授業料と入学料の免除が大きい。

国公立の授業料は基本的に1か月で5万円程度です。4年だと約250万円にもなり、教科書代などの諸経費や入学料も合わせれば300万円にもなります。

柴ジロー
柴ジロー
気が遠くなる金額ですよね…。

制度は大学に依る部分があるので、 詳しく調べてから希望の大学を探しましょう!

また、覚えておいて欲しいのですが、入学料や授業料免除の制度において重要になる要素が大きく2つあります。①親の年収と、②成績(入学時は高校3年生の、大学在学中は前年度の成績)です!

①は貧乏な過程で過ごしてきた私たちのような人ならクリアできると思いますが、②につ いては努力しかありません。

「なんだ、結局は頭がいい人しか無理なんじゃん!」と思った方、ちょっと待ってください!

大学にもよりますが入学料や授業料の免除は、例えば次のような段階があります。

  • 全額免除
  • 半額免除
  • 4分の1免除

「成績がトップクラスじゃないから…」と諦めるのは早いです!親の年収に左右される部分も大きいので、貧乏な学生であれば半額免除くらいなら難しくないはず…!

柴ジロー
柴ジロー
自分の限界まで良い成績を取ることが出来るよう、メリハリをつけて遊びつつも、血を吐くまで勉強しましょう!!

全額免除を前提に進学をすることは止めておいた方が良いと思いますが、そこそこの成績が取れるよう頑張り、「半額免除」を前提に卒業までの支出を計算するのはいいと思います!

私の場合…

国公立の中でも偏差値の低い大学に入学しましたが、制度としては入学金および授業料免除があり、児童養護施設の出身で成績も悪くないということで、どちらも全額免でした。

私の場合は大学院まで進学しました(大学院は別の大学です)が、 結局、卒業まで一度も授業料を払わないままでした。

おかげで生活にある程度の余裕を持って生活できました。

柴ジロー
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もちろん、バイトは月に10万円分くらいしていましたよ!

出身大学には本当にお世話になりました!

また、「行きたい大学があるのに、 制度が充実していないから厳しい」 という人もいると思います。

そういった場合には、以下のいずれかの手段になるでしょうか。。。

①死ぬ気でバイトをして進学資金を溜める。

②給付型の奨学金を獲得する。

③親族に援助してもらう。

④一度、就職してから資金をため、大学を目指す。

もちろん、これ以外にもあると思いますが、 どの手段も非常にハードルが高そうです。

特に、私立の大学や短期大学は授業料が高いことが多く、貧乏な家庭で育った人が入学から卒業までを達成するのはかなり難しいでしょう。

貧乏な家に生まれたハンデを嘆いていても何も変わりません!

情けなくて苦しいかも知れませんが、自分に可能な選択の中からベストな大学に進学しま しょう!

ステップ②:給付型の奨学金を借りよう!

ご存じの方もいるかもしれませんが、奨学金にはいろいろな種類があります。

一番有名なのは日本学生支援機構の奨学金ですよね。

貸与型と給付型の2種類があり、貸与型の奨学金は、言わば「借金」 ですが、給付型の奨学金は基本的に返還が不要です

柴ジロー
柴ジロー
ちなみに、私の時代は貸与型しか無く、今でも返済に追われています。(泣)

皆さん、良い時代に生まれましたね…。

給付型は他にもありますが、給付の条件に制限があるものが多く、理数系の学生でも 「薬学専攻の学生のみ」 のような条件が付いているものが多い印象です。

自分に合ったものがあるかもしれないので、 「もらえるものは全部貰っとけ」の精神で、調べまくりましょう!

私の場合…

理系学生用の 「公益財団法人 日揮・実吉奨学会」というところがやってる給付型の奨学金をいただきました。

理工学を専攻している学生が対象(広い!)の奨学金で、合計 30万円でした。

日揮・実吉奨学会さん、 あの時は本当にありがとうございました!

あなたたちのおかげで、大学院まで進学でき、今は元気に働いています!

その他にも給付型の奨学金をいくつか調べましたが、 結局は応募しませんでした。

給付型奨学金の条件が難しかったのと、 授業料が全額免除になり、バイトでの収入も安定しだしたからです。

ちなみに、社会的養護(児童養護施設や里親など)のもとで暮らした経験のある18歳~30歳の方は「日本財団夢の奨学金」という、文字通り夢のような奨学金があるようなので、是非ご確認ください。

ステップ③: 進学に必要な資金を計算する

さて、「進学なんてお金がかかるし…。」 と思っていらっしゃる方は、大学卒業までに、 具体的にどの程度お金が必要になるのか調べたことはあるでしょうか。

柴ジロー
柴ジロー
ちなみに、「一人暮らし 生活費」のような検索で出てくる金額を信用してはいけません!

あんなの、世の中の裕福な人たちを基準にしているのですから、私たちみたいな貧乏苦学生には当てはまりません!!

以下は、月の学費を2万5千円(私が通っていた国立大学の授業料半額免除)としてシミュレーションした生活費の例です。 是非ご参考にして下さい。

・生活費の例

家賃 30,000円
食費 15,000円
水道・光熱費 7,000円
携帯代 3,000円
娯楽費 10,000円
授業料 25,000円
合計 90,000円

 

どうでしょう、「あれ?意外と現実的かも知れない」と思いませんか?

月5万円ほど奨学金を借りる(もしくは給付される)とすれば、実際の負担額は4万円ほど。

国公立や公立の大学に進む限り、「考えられないほどの」資金を確保する必要はありません。

柴ジロー
柴ジロー
ただ、入学時は入学金を納付しなければならないので、ある程度お金を貯めておく必要があります。バイトしましょう。

ステップ④ : 親・保護者の了解を得る

もしかしたら、人によってはこれが一番しんどいかも知れません。

20歳を超えるまでは、ほとんどの手続きに親や保護者の同意が必要ですよね。大学もそうなんです。

快諾してくれる親や保護者であれば、何も支障はありませんが、反対されれば説得する必要があります。

私の場合…

児童養護施設には、子どもそれぞれに担当の先生が付いています。

私の場合、遅くまで学校に残って勉強していたので、施設の門限を守れず、担当の先生にめちゃくちゃ嫌われていました。

柴ジロー
柴ジロー
コイツ面倒くさいし、生意気だな」という感じです。

大学に受験する時期になって、試験を受けようとした時は、ものすごい勢いで否定され、「大学進学なんて止めて就職するんだ」と言ってきました。

ですが、どうしても進学したかった私は担任の先生と、繋がりのあったNPO法人の方と一緒に説得しました。

その結果、しぶしぶ認めてもらえましたが、大変な労力を要しました…。

私のように親・保護者の説得に悩んでいる人は、是非以下のQ&Aをご参考に、説得するための準備をしてから戦いましょう!

やりたいことがはっきりせずに大学に行くのは良くない

全員が具体的にやりたいことなんて持ってない!

この学歴社会を生きていく上では、大学っていうのはやりたいことを見つけにとりあえず行くもんだ!

学歴があると将来の収入が増える可能性もグッと高くなる!(参考:「令和2年賃金構造基本統計調査 結果の概況」https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/dl/03.pdf

大学なんて卒業しても就職先が変わらないだろ

就職先は高卒の方が少ない!日本はまだまだ学歴社会だ!

(実際、大学卒業していれば「大学卒業相当の資格が必要」な就職先も、「高等学校卒業相当の資格が必要」な就職先、どちらも選べます)

生活費はどうすんだ

月の生活費は○○万円だ(ステップ③のシミュレーションを参考に計算しましょう。)!

バイトで月に△△万円稼いで奨学金も□□万円もらうから十分暮らしていける!

迷惑は掛けないのでハンコだけ押してください。

初期費用(入学料など)はどうしても掛かるので、それだけは高校生の時にバイトをして貯金するか、奨学金を申請したりしましょう!

本当にこの部分だけは自分の力でどうしようもない部分かもしれませんが、「迷惑は掛けないから!」という部分を強調して粘り強く説得しましょう。
(もちろん、援助してもらえるならそれが一番です。)

まとめ

ここまで読んで下さり本当にありがとうございます。

「極貧高校生が4年制大学に進学するために踏んだ4つのステップ」ということで、以下にまとめます。

皆さんが希望通り進学できることを心から祈っております。

大学は本当に楽しいところです。ぜひ、自分の力を信じて進んでいきましょう!じゃあね!

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